<Header>
<Author: 白居易>
<Title: 初與元九別後忽夢見之及寤而書適至兼寄桐花詩悵然感懷因以此寄>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 漢詩大系  白樂天>
<Translator: 田中克己>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 初めて元九と別れし後、忽として夢にこれを見る。寤むるに及びて書たまたま至り、かねて桐花の詩を寄せらる。悵然として感懐し、よりてこれをこれもって寄す。>
<BookPage: 115-119>
<UsedPage: 5>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
永壽寺中語，
新昌坊北分。
歸來數行淚，
悲事不悲君。
悠悠藍田路，
自去無消息。
計君食宿程，
已過商山北。
昨夜雲四散，
千里同月色。
曉來夢見君，
應是君相憶。
夢中握君手，
問君意何如。
君言苦相憶，
無人可寄書。
覺來未及說，
叩門聲冬冬。
言是商州使，
送君書一封。
枕上忽驚起，
顛倒著衣裳。
開緘見手札，
一紙十三行。
上論遷謫心，
下說離別腸。
心腸都未盡，
不暇敘炎涼。
云作此書夜，
夜宿商州東。
獨對孤燈坐，
陽城山館中。
夜深作書畢，
山月向西斜。
月下何所有，
一樹紫桐花。
桐花半落時，
復道正相思。
殷勤書背後，
兼寄桐花詩。
桐花詩八韻，
思緒一何深。
以我今朝意，
憶君此夜心。
一章三徧讀，
一句十回吟。
珍重八十字，
字字化爲金。
<End Poem>
<Translation>
その日は永寿寺で話し、新昌坊の北で別れた。帰って来てほろほろと涙を流したが、冤罪を悲しみ君のことを悲しんだのではない。はるかにつづく藍田の路を、行ってしまってからたよりがない。君のねとまりの日程を計算すると、もはや商山の北をすぎたはずだ。昨夜は雲が散って、月色はいずこも同じだろう。あけがたきみの夢を見た、きっときみも思ってくれているのだ。 夢できみの手をにぎり、「気持ちはどうか」とたずねた。きみはこたえた「ひどく思っているが、手紙をもってゆかす者がない」と。目をさましてこの話をしないうちに、門をたたく音がどんどん。いうには「商州からの使者です」と、きみの手紙を一通もって来た。寝床でびっくりして起きあがり、着物をさかさまに着て、封を切って手紙をみると、一枚に十三行が書いてある。はじめには流謪された気持ちを書き、終わりには別れの悲しさをいう。気持ちはいくらのべても終わらないので、寒暑の挨拶など書くひまはない。いわく「この手紙を作った夜は、商州の東に泊り、ひとりでさびしい灯にむかって坐っている、陽城の山宿の中だ。夜ふけて書きおわると、山月は西にかたむいている。その月の下には、一本のきりの木のむらさきの花。きりの花のなかば落ちる時なので、あらためてあい思うというのだ」と。ねんごろな手紙の裏には、「きりの花」の詩が書きつけてある。この「きりの花」の詩は十六行で、思いのたけの深いこと。ぼくもけさの夢の気持ちから、その夜のきみの心を察した。 一章を三回よみ、一句を十度もよんだ。この八十字のたいせつなことは、一字一字が黄金そのものだといえる。
<End Translation>
<Formatted Translation>
その日は永寿寺で話し、新昌坊の北で別れた。
帰って来てほろほろと涙を流したが、冤罪を悲しみ君のことを悲しんだのではない。
はるかにつづく藍田の路を、行ってしまってからたよりがない。
君のねとまりの日程を計算すると、もはや商山の北をすぎたはずだ。
昨夜は雲が散って、月色はいずこも同じだろう。
あけがたきみの夢を見た、きっときみも思ってくれているのだ。 
夢できみの手をにぎり、「気持ちはどうか」とたずねた。
きみはこたえた「ひどく思っているが、手紙をもってゆかす者がない」と。
目をさましてこの話をしないうちに、門をたたく音がどんどん。
いうには「商州からの使者です」と、きみの手紙を一通もって来た。
寝床でびっくりして起きあがり、着物をさかさまに着て、
封を切って手紙をみると、一枚に十三行が書いてある。
はじめには流謪された気持ちを書き、終わりには別れの悲しさをいう。
気持ちはいくらのべても終わらないので、寒暑の挨拶など書くひまはない。
いわく「この手紙を作った夜は、商州の東に泊り、
ひとりでさびしい灯にむかって坐っている、陽城の山宿の中だ。
夜ふけて書きおわると、山月は西にかたむいている。
その月の下には、一本のきりの木のむらさきの花。
きりの花のなかば落ちる時なので、あらためてあい思うというのだ」と。
ねんごろな手紙の裏には、「きりの花」の詩が書きつけてある。
この「きりの花」の詩は十六行で、思いのたけの深いこと。
ぼくもけさの夢の気持ちから、その夜のきみの心を察した。 
一章を三回よみ、一句を十度もよんだ。
この八十字のたいせつなことは、一字一字が黄金そのものだといえる。
<End Formatted Translation>